短時間トレーニングの効果は本当にあるのか?科学的視点から
「忙しくて長時間運動できないけど、短時間の運動でも効果はあるの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
最近では“時短トレーニング”や“HIIT(高強度インターバルトレーニング)”が注目を集めていますが、実際どの程度の効果があるのでしょうか?
今回は科学的根拠をもとに、中立的な視点で解説します。
結論:短時間でも効果はあるが、条件次第
多くの研究で、短時間トレーニングでも心肺機能や筋力の向上が確認されています。
特に、運動強度が高く設定されている場合や、全身を使う種目を取り入れている場合は効果が出やすいと報告されています。
ただし、目的や強度、頻度によって結果は大きく異なるため、すべての人に同じ効果が得られるわけではありません。
科学的根拠から見る短時間運動の効果
1. 心肺機能の向上
カナダ・McMaster大学の研究では、1回10分(うち運動は合計1分)の高強度インターバル運動を週3回・12週間行った結果、45分の有酸素運動と同等の心肺機能向上が得られたと報告されています(Gillen et al., 2016)。
2. 筋力・筋量の維持
短時間でも多関節種目(スクワット、腕立て伏せなど)を行えば、筋力や筋量を維持・向上できることが確認されています(Schoenfeld et al., 2015)。
3. 脂肪燃焼効果
脂肪減少については、高強度トレーニングを取り入れた場合に有意な効果が見られるという報告がありますが、食事管理を伴わない場合は効果が限定的とする研究もあります(Keating et al., 2017)。
短時間トレーニングの限界
・低強度の場合は効果が小さい
軽いストレッチやゆっくり歩く程度では、運動時間が短いと消費カロリーも少なく効果は限定的。
・技術や強度の管理が必要
短時間で成果を出すには、適切なフォームと負荷設定が不可欠です。
研究から見えてくる「筋トレを取り入れるべき人」
以下のような方には、特に筋トレのメリットが大きいと考えられます:
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30代以降で筋肉量の減少が気になる方
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ダイエット後も太りにくい体を維持したい方
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ただ痩せるだけでなく、見た目も整えたい方
一方で、
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体力に自信がない方
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まずは生活習慣の改善から始めたい方
には、無理に筋トレを導入する必要はありません。
筋トレを「選択肢の一つ」として、自分のペースで考えることが大切です。
ジムとしての見解|短時間でも“効果と継続のバランス”が大切
当ジム「パーソナルトレーニングE.S」では、
忙しい方や運動が苦手な方にも、25〜30分の中で効果を最大化できるメニューを提供しています。
短時間でも、
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全身を使う
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強度をしっかり設定する
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無駄な動きを省く
といったポイントを守れば、体力や見た目の変化は十分に期待できます。
しかし、高強度過ぎると継続に支障が出る場合もあるので、一人一人の体力や性格に合わせてメニューを調整します。
まとめ
・短時間トレーニングは、強度や内容によっては長時間運動に匹敵する効果がある
・脂肪燃焼には食事管理との組み合わせが不可欠
・継続と計画性が成果のカギ
忙しい日常でも、**「質の高い短時間運動」**を取り入れることで、健康や体型維持を十分に実現できます。
参考文献
Gillen JB et al. (2016)
A brief bout of high-intensity interval exercise improves indices of cardiometabolic health in overweight and obese adults.
Journal of Applied Physiology
→ 高強度インターバルトレーニング(1回10分)を12週間行い、長時間の有酸素運動と同等の心肺機能向上を確認。
Schoenfeld BJ et al. (2015)
Effects of low- vs. high-load resistance training on muscle strength and hypertrophy in well-trained men.
Journal of Strength and Conditioning Research
→ 短時間でも適切な負荷をかければ筋力・筋肥大効果が得られることを報告。
Keating SE et al. (2017)
Effect of high-intensity interval training on body composition and fat loss in adults: a meta-analysis.
Obesity Reviews
→ 高強度トレーニングは脂肪減少に有効だが、食事管理を組み合わせた場合に効果が大きいと結論。
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