30代・40代が痩せにくい本当の理由 ― 代謝とホルモンの視点から


「若い頃と同じように食べているのに、最近は体重が落ちにくい…」
30代・40代になると多くの人が口にする悩みです。

 

実際に、この年代から「痩せにくさ」が加速するのは科学的にも説明できます。
今回は 代謝の変化ホルモンの影響 に注目し、なぜ痩せにくくなるのかを解説します。


基礎代謝の低下が大きな要因


基礎代謝とは、じっとしていても消費されるエネルギーのこと。

筋肉量・臓器の働き・体温維持などで使われます。

 

10代後半〜20代前半:基礎代謝が最も高い

 

・30代以降:年齢とともに少しずつ低下

 

・特に筋肉量が減ることで代謝は落ちやすい

 

厚生労働省のデータでも、1日の基礎代謝量は20代から40代にかけて約100〜200kcal低下することが示されています。

わずかな差でも、積み重なれば脂肪として蓄積されやすくなります。


ホルモンの変化が影響


男性の場合

 

・テストステロン(男性ホルモン)が30代以降に徐々に低下

 

・筋肉量の維持が難しくなり、脂肪がつきやすくなる

 

女性の場合

 

・エストロゲン(女性ホルモン)が30代後半から緩やかに減少

 

・脂肪の分布や代謝に影響し、特にお腹まわりに脂肪がつきやすい

 

これらのホルモンの変化は自然なもので、誰にでも起こる現象です。


ライフスタイルの影響も大きい


30代・40代は仕事・家庭・育児などで忙しく、

・睡眠不足

・食事の乱れ

・運動不足

といった要因が重なりやすい年代です。

これらはホルモンバランスや代謝をさらに悪化させる「二次的要因」になっています。


研究から見える「痩せにくさ」


・Pontzerら(2016, Science)

 世界中の6,400人以上を対象とした研究で、基礎代謝は20代までは高く、その後30代以降から緩やかに低下していくと報告。

 

・Lovejoyら(2008, Obesity)

 中年女性を対象にした研究で、エストロゲンの低下に伴い脂肪が内臓周辺に増加しやすくなることを確認。

 

・Hackneyら(2001, Sports Medicine)

 男性においてもテストステロン低下が筋肉量の減少や脂肪増加と関連していることが示されている。


まとめ


・30代・40代は基礎代謝とホルモン変化により痩せにくくなる

 

・生活習慣の乱れも加わると、体重管理はさらに難しくなる

 

・しかし筋トレ・食事・生活改善を組み合わせれば十分に対応可能

 

「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめる必要はありません。

正しい方法を取り入れれば、30代・40代からでも理想の体に近づけます。